電子書籍のレンタル、予約本の取り置きロッカー…どんどん便利になる「図書館」を使い倒そう!

図書館の新サービス 終活・セカンドライフ

会社員だった1年半前まで、地元(神奈川県藤沢市)の図書館には足を踏み入れたことがありませんでした。

だって、平日の日中は地元にいないし。土日にしか本を借りたり返したりできないなんて、不便だし。気になった本や雑誌や漫画はポチッと通販や電子書籍で買っちゃえば手軽だし。dマガジンでたいていの雑誌は読めるし。本はポチッとする前にKindle Unlimitedを検索すれば、運が良ければ読み放題で読めるし。

ですが日中、地元にいる自由業になると、がぜん「図書館」の存在が気になってきます。早速、最寄りの「南市民図書館」に行き、図書館カードを作成。いろんな本、雑誌、新聞があって子供向け絵本も充実しているっぽいけれど、閲覧席は満員で、パソコンを使える席も空きがない。仕方ない、とりあえず本を借りて帰ろう、と蔵書を検索したところ…

あらっ、けっこう新しい本、あるじゃん。
おおー、借りたい本が南市民図書館にはない場合、取り寄せてもらえるんだ~
えっ、借りたい本が貸し出し中だったら、予約できるのか! 何人待ちかもわかるのかー!
ほお~、予約が自分の番になったら、取り置きしておいてくれて、メールで知らせてくれるんだーー

こりゃ便利!

以来、すっかり藤沢市図書館のヘビーユーザーになっております。本が予約できて取り置きしたらメールでお知らせしてもらえるなんて、今どきの行政サービスは行き届いてるねぇ、なんて話を周囲にしたら、「えっ そんな便利なサービスやってるの? 知らなかった!」という声多数。…というわけで、知っている人には常識、でも意外と知らない人が多い、今どきの図書館サービスをさくっとご紹介します。セカンドライフを充実させるためにも、ぜひぜひ!活用しましょう~❤

読みたい本はパパっと予約。最寄りの図書館・図書室で受け取れるよ

藤沢市図書館の予約サービスを利用するには、まず、図書館の利用登録(図書館カードの作成)を行います。藤沢市の場合、藤沢市内の在住者、藤沢市内への通勤・通学者のほか、「広域利用対象自治体」(茅ヶ崎市、寒川町、鎌倉市、大和市、綾瀬市、横浜市)にお住まいの方も利用登録ができます。が、広域利用の方は現在(2023年5月)のところ、予約サービスは利用できません。残念~!

というわけで、在住・在勤・在学者の方だけが利用できる「本の予約サービス」。予約は藤沢市図書館のホームページから行います。パスワードとメールアドレスを登録し、サイトにログイン。本を検索します。

タイトルや著者名だけでなく、「終活」などのキーワードでも検索できるのが地味に便利ーー!

検索された本の中から読みたい本をクリックすると…

「終活」というキーワードで検索すると、資料が221件出てきました。検索結果は新しい順(出版年順[降順])などに並べ替えることができます。

蔵書情報などが表示されます。所蔵数は2冊、総合市民図書館と南市民図書館に1冊ずつ所蔵されていて、どちらも貸し出し中であること、予約は入っていないことが分かります。

この本を予約したい場合は、画面下の「予約かごへ」をクリック。本が予約かごに入るので、かごを開んで本を選択し、「予約する」をクリックすることで貸出予約をすることができます。予約かごに入れただけでは予約できていないので要注意!

取り置きができたらメールでお知らせ

藤沢市図書館で本を予約するとき、連絡方法として「電子メールで連絡を受ける」を選択しておくと、本が用意できたらメールで知らせてもらえます。取り置き期間は10日間。10日以内に取りにいかないと、予約は取り消しになってしまうので注意しましょう。

予約の際、「受取希望館」が指定できるのもうれしいところ。藤沢市には図書館が4つ(湘南台、南藤沢、辻堂、大庭)あるほか、公民館の中などに図書室が13カ所ありますが、どこの図書館・図書室でも予約した本を受け取れるのです。中央図書館の蔵書を予約して、本町のFプレイスの中の藤沢図書室で受け取る、なんて手続きがオンラインでできちゃうのは本当に便利です。

難点としては、予約できる冊数が限られていること。同時に4冊までしか予約できないので、順番待ちの本ばかりになってしまった場合、どの本の予約を取り消すか、苦渋の選択を迫られることになります。

茅ヶ崎市では「予約資料受取ロッカー」が稼働!

藤沢市と同様の予約サービスを提供している茅ヶ崎市図書館では、今年(2023年)3月、予約した資料を24時間受け取れるロッカー「うけとりちゃんDX」をJR茅ヶ崎駅自由通路に設置しました。

ロッカーのボックス数は全部で46。白いロッカーの全面に茅ヶ崎市のキャラクター「えぼし麻呂」と「ミーナ」、そして茅ヶ崎市立図書館のキャラクター「ポン」と「ボン」(どちらも「本の虫」なのだそう)が描かれていて、かなりのインパクトです。

夜間や図書館の休館日でも受け取れるわけで、時間が合わなくて本が借りられなかった人には朗報! 早くも予想以上の人気を博しているようで、4月13日にはこんなお詫び文が図書館のホームページに出ていました。「現在受取希望が大変多く、資料を確保してからロッカーに投入するまでかなりお時間をいただいております。長くお待たせすることとなり、大変申し訳ありません」。

藤沢市、横浜市では「電子書籍」が借りられる

私は2010年代後半から、新規に購入する漫画と雑誌の大半を電子版に切り替え、書籍も電子書籍で買うことの方が多くなってきています。電子書籍を読む端末は、個人輸入したamazon kindleを皮切りに楽天kobo、第2、第3世代kindle、Fire HD 8へと変遷し、今は普通のandroidタブレットで読むことがほとんどです。

電子書籍の難点は、貸し借りができないことだよね~、と長らく思っていました。紙の本なら「これ、面白かったよ!」と貸してあげたり、貸してもらえたりするのに。同じ理由で、図書館では電子書籍、扱えないんだよなー、なんて思っていたら。

去年(2022年)の10月から、藤沢市図書館で電子書籍が借りられるようになったんです!

サービス対象は藤沢市在住・在勤・在学者に限られますが、利用者IDでログインすると電子書籍が簡単に借りられ、その場で読めます(パソコンやタブレットのブラウザを使って読む仕組みです)。貸し出し中の場合は予約も可能。蔵書はまだ少なく、子ども向けの本や絵本が多い印象ですが(読み聞かせをしてくれる「動く絵本」もあります)、大人向けの小説や実用書なども増えつつあります。

初回のログイン時、パスワードは初期パスワード(生年月日の8桁の数字)になっているので注意!

貸出冊数、予約可能冊数はどちらも2冊。これらは紙の本の貸出/予約冊数とは別計算になります。貸出期間は2週間で、自動的に返却されます(手動での返却も可能)。返却忘れがないのはいいですね! このほか、「読み放題」で読める電子書籍もあります(ほとんどが「講談社青い鳥文庫」「角川つばさ文庫」などの児童書です)。

近隣の自治体では、横浜市が2021年6月から電子書籍の貸し出しサービスを行っています。ウェブサイトのデザインがそっくり! 同じところが運営を受託しているのかな、と想像します~。

電子図書館といえば…名作が無料で読める「青空文庫」ですよね

ところで… 「無料で読める電子書籍」といえば、老舗中の老舗「青空文庫」を忘れてはいけません。青空文庫とは、著作権の消滅した作品や、著作者が「インターネットで自由に読んでもらって構わない」とした作品を、誰でも自由に読める電子本に加工してインターネット上に集める活動のこと。20世紀末から始まったこの活動、あまりにも有名…と思っていたら! 周囲の人が、意外と、知らなかったりしたんです!

…まあ、20世紀は遠くなりにけり、なのかもです。新人薬剤師が山●内製薬も藤●薬品工業もミ●リ十字も知らなかったりしたものね。

青空文庫、健在です。太宰治の『お伽草紙』も夏目漱石の『吾輩ハ猫デアル』もドストエフスキーの『罪と罰』も、みーんな、すぐに、この場で、読めます。素晴らしい。

青空文庫はボランティアの方々によって運営されています。入力、校正、ファイル作成などのボランティア(青空耕作員)は随時募集中とのこと。こういう形で自由な本を残していくって、素敵だなあ。

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