57歳のセミリタイアおばさんが終活したら幸せになった話

終活・セカンドライフ

57歳のセミリタイアおばさん。はい、昨年の私です。

なんか、仕事、飽きたなあ。でも、ほかにできることもないしなあ。と、惰性で編集仕事をこなしていた私のもとに、ピロンと届いた「早期退職者募集」メール。毎年のように募集がかかり、毎年「いやいや、それはないでしょ」と思っていたのですが、2021年の秋、「それもいいかも」と思えたのでした。

2022年の春、仕事を辞めて時間ができたので、「気になってたんだけれどやらなかったこと」に取り組む心の余裕が生まれました。で、「人生でやりたい100のこと」を書いて、その勢いで「エンディングノート」に手を付け、目からウロコがぽろぽろ落ちて、「みんな、終活やろうよ!」と呼びかける活動をはじめちゃったわけです。

終活をやったこと、エンディングノートを書いたことで、私に何が起こったのか。さまざまありますが、一つ確実に言えることは、

私は前よりも幸せになった

ということです。

「私、がんばってきたじゃん」と自分をほめる気持ちになり、「こんなにも多くの人に支えられてきたのだ」と気づき、「私の人生、悪くない」と思えるようになりました。

…それまでだって、「私の人生、悪くない」とは認識していたと思うんですよ。いい大学を出ていい会社に就職し、やりがいのある仕事に就き、いい給料をもらって、素敵なパートナーと出会って結婚していましたから。激務とか不本意とか病気とかもありましたが、まあ文句を言ったらバチがあたるような「悪くない人生」です。

でも、そういう客観的なデータで裏打ちされる「悪くなさ」じゃなくて、

もっと主観的な、自分の内側から沸き起こるような、「うん、悪くないよ、この人生」という満足感。もっと周りを大事にしよう、もっと夫を、もっと自分を大事にしよう、そんな気持ちに満たされて……その「主観的な幸福感」は、今もずっと続いています。

これまでの人生の棚卸しをして、「自分がこれからどうありたいか」を考え、進んでいくという一連の行動。これを私は終活と呼んでいますが、この行動こそが私を幸せにした、私の主観的なウェルビーイングを高める原動力になったことは間違いありません。

で、このことを、さらっと「幸せの4因子」に当てはめて分析してみます。

「幸せの4因子」
第1因子:つながりと感謝(「ありがとう」因子
 他者とのつながりに対するポジティブな心理状態
第2因子:自己受容と楽観(「なんとかなる」因子
 苦楽を受け止め前向きにとらえている心理状態
第3因子:自己実現と成長(「やってみよう」因子
 自分の人生で目指す先を決め、それに向けて成長する状態
第4因子:自信と自分らしさ(「ありのままに」因子
 自己を肯定し、自らの特性を有効に活用できると自覚し、自分らしくあり続ける状態

まず、エンディングノートを書くことなどを通じ、半生を振り返ってこれまでに出会った人々に思いをはせることで、「ありがとう」因子(他者とのつながりに対するポジティブな心理状態)が高まりました。

さらに、半生で培った自分のスキルや経験、リソースを再認識することで、山あり谷ありの自分の半生を「悪くない」と受け止め、この先も悪くない人生を送ることができるだろうと思えるようになりました(「なんとかなる」因子、「ありのままに」因子の向上)。

こうした振り返りを行ったことにより、「残りの人生をどう生きるか」を真剣に、自分事として考えられるようになりました。そして、「やってみよう」因子が高まったのです。

私の場合、特に「ありがとう」因子と「やってみよう」因子は、人生の棚卸しをやらない限り高めることは難しかったと思います。中でも「ありがとう」因子。これが「目ウロコぽろぽろ」の本体といっても過言ではない。そこで自分の人生に対する認識が劇的に変わった(まさにパラダイムシフト)からこそ、「この先、どう生きていこう?」という問いが生まれ、「なんとかなる、ありのままに、やってみよう」と、幸せな気持ちに包まれながら前に進めた気がしています。

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