こんにちは。幸せですか? いきなりそう問われたら「はい」と答える、幸せなナナです。客観的にどうなのかは知らないけれど、主観的にはハッピー!ウェルビー!いい感じ!の毎日を送っています。
この幸せな気持ちは、私自身は会社をやめて人生の棚卸し(終活)をやってみて、目からウロコがぽろぽろと落ちたところから始まっています。だからこそ「早めに棚卸しやろうぜ!」と勧める活動をはじめちゃったわけですが……そもそも、この幸福感ってなんやねん?
未曽有の長寿の時代、長い人生を生き抜くためには、もちろんお金が大事。そして健康が大事。だけどそれらと同時に…もしかしたらそれら以上に大事なのは、「幸せだなあ」と感じる心かもしれません。
じゃあ、どんな心もちの人が「幸せだなあ」と感じやすいのか。主観的に幸せ!になるためにはどんな要素が大事なのか。日本の「幸福学」研究の第一人者、前野隆司氏(慶応義塾大学教授)らの調査研究と、そこから明らかになった4因子について紹介します!
「いい状態」ウェルビーイングとは、人生に満足していてポジティブな感情が優位な状態
「幸せの4因子」そのものについては、前野氏の数々の著作などで取り上げられているので、ご存じの方も多いと思います。今回ご紹介したいのは、どういう研究に基づいて4因子が見出されたのか、です。
大元になったのは、2011年8月に行われたインターネット調査。対象は、15~79歳の日本人1500人(男女各750人)です。この調査自体は、学会発表はされていますが(日本心理学会)、残念ながら論文化はされていないようです。
「主観的well-beingとその心理的要因の関係」(日本心理学会第76回大会要旨集)https://www.jstage.jst.go.jp/article/pacjpa/76/0/76_1PMB06/_article/-char/ja/
ともあれ調査では、主観的にいい(well)状態(being)であることに、どんな心理的要因が相関しているかを調べました。
「主観的ウェルビーイング」な状態とは、米国の心理学者エド・ディーナー氏(米イリノイ大学名誉教授)の定義によると、
自分の人生を「認知的」に、そして「感情的」にどう評価するかで決まる
そうです。要するに、
主観的ウェルビーイングの高さ=人生への満足度の高さ(認知的評価)×[ポジティブな感情の強さ×ネガティブな感情の弱さ](感情的評価)
ということらしい。
「私の人生、幸せだなあ~(しみじみ)」と認知し、今の気分として「いきいき、わくわく、きゃー❤❤❤ きっぱり!」みたいな感情が強め(こういうのがポジティブ感情なのだそうです)だと、とってもウェルビー!ということだそうです。
ウェルビー❤に、感情的な(短期的な)評価も関係しているというのが面白いです。長い目で見て満足のいく人生を送っていても、目の前にびくびく、イライラ、ぴりぴり、はらはら…なネガティブな気持ちを抱かせる状況があれば、主観的ウェルビーイングは損なわれてしまうのだなあ。
ウェルビー❤な人に共通する心理的要因を因子分析で解明!
次に、主観的ウェルビーイングと関連しているよ、と報告されている様々な心理的要因を参考に、全29項目89問(文献によって微妙に数が違っていたりするので、より新しい以下の文献に従います)の質問を作り、「全く当てはまらない(1点)」~「非常に良く当てはまる(7点)」という7つの選択肢から回答を選んでもらって、項目ごとの平均値をその項目の点数としました。
★この文献を参考にしました★
「主観的ウェルビーイングの分析と構造化」(日本感性工学会論文誌 20 (2), 129-139, 2021)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjske/advpub/0/advpub_TJSKE-D-20-00048/_pdf
29項目の心理的要因のうち、人生満足尺度・ポジティブ感情との相関が高くなかった5項目を除外して因子分析。「主観的ウェルビーイング」(わたしって幸せ!)に大きく寄与している心理的要因を、大きく4つに分類しました。
その結果、明らかになった4つの因子は…
第1因子:つながりと感謝(「ありがとう」因子)
他者とのつながりに対するポジティブな心理状態
第2因子:自己受容と楽観(「なんとかなる」因子)
苦楽を受け止め前向きにとらえている心理状態
第3因子:自己実現と成長(「やってみよう」因子)
自分の人生で目指す先を決め、それに向けて成長する状態
第4因子:自信と自分らしさ(「ありのままに」因子)
自己を肯定し、自らの特性を有効に活用できると自覚し、自分らしくあり続ける状態
おおー。結果だけ見ると「なるほど、そうだよね」とさらっと受け入れてしまう納得の内容ですが、その背景にはこんなにしっかりした因子分析があったのですね。
100年ライフを幸せに生き続けるために、これからは、この4つの因子を意識してみようかな!
この研究などが掲載されている前野氏の著作はこちら↓↓
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