エンディングノート、もし1冊選ぶなら「もしもの時に役立つノート」がおススメ!

終活・セカンドライフ
コクヨ「もしもの時に役立つノート」表紙

ここ10年近く、こつこつと様々な「エンディングノート」を買い集めてきました。もはやコレクターと呼んでも過言ではないでしょう。そんなマニアな私が「最初の1冊」としてお勧めしたいのが「もしもの時に役立つノート」。文具メーカー大手のコクヨが作ったエンディングノートです。

私自身は、いろいろなエンディングノートを参考にしながら、オリジナルの“エンディング情報ファイル”を作っています。最大の理由は、文字を手で書くよりパソコンで書く方が早くてラクで直すのも簡単だから。作成したエンディング情報はプリントアウトしてクリアブックにファイルして、もしものときに家族が参照できるようにしています。

この作業を通じて20冊近いエンディングノートを読み込んできました。それぞれに特徴があり、背景にある思想が読み取れて興味深いのですが、なかでも最も「バランスが取れている」「若い世代から高齢世代まで幅広い世代のニーズをカバーしている」「情報が整理されていてわかりやすい」と感じるのがこのノートなのです。※私、コクヨの回し者じゃないですよ❤

エンディングノートの基本5領域をバランスよくカバー

エンディングノートへ書く内容に決まりはないのですが、多くのエンディングノートの記載欄には、【1】葬儀・お墓、【2】相続・財産、【3】死後の手続き、【4】医療・介護、【5】パーソナル情報──の5領域の情報が含まれています(私はこれを「エンディングノートの基本5領域」と呼んでいます)。

それぞれの領域にどの程度ページを割くかは、想定するノートの書き手やニーズによって変わってくるのですが、「もしもの時に役立つノート」は5領域のバランスがとても良いのです。

各領域の具体的な項目にも、きめ細かな配慮が感じられます。「家族・親族」の情報として親族表(家系図)を書くページがあったり、「気になること」としてデジタル遺産や宝物・コレクション、ペットについて「もしもの時の希望」とともに書くページが設けられていたり。資産のところには、「貸金庫・レンタル倉庫・トランクルームなど」の契約先と場所、保管しているものを書く欄や、「貸しているお金」を記載する欄が設定されています。こういう記載欄がないとうっかり失念してしまうような情報を、もれなく拾う工夫がされているんです。

考え抜かれた「選択肢」

「選択肢」の項目立ても、考え抜かれています。

多くのエンディングノートでは、どんな葬儀を希望するかといった項目には「選択肢」が設けられていて、それをチェックするだけで自分の希望を伝えられるようになっているのですが、その選択肢がきめ細かいのです。

例えば「戒名(法名)について」。「もしもの時に役立つノート」では7つの選択肢が設けられています。

□ お金をかけていいので、良い戒名をつけてほしい

□ 戒名はつけてほしいが、普通でよい

□ 戒名にこだわりはない。葬儀をする都合上必要であれば戒名をつけてもいいが、なるべくお金をかけないでほしい

□ 戒名は絶対につけないでほしい

□ 戒名をすでに持っている(戒名:    )(受戒した寺・宗派:    )

□ おまかせする

□ その他(     )

出典:『もしもの時に役立つノート』(コクヨ)

ね、きめ細かいでしょう?

「もしも」に備える意義が分かる

「告知・延命処置について」というページにも、私はとても感動しました。

たいていの人は「そんなこと考えたことない」「いきなり言われても…」となるでしょうし、深く考えずに「告知? あと何カ月とか? そういうのは知りたくないな。延命処置? しないでいいよ」なんてふうに片付けてしまうこともあるかと思うんです。

でも、このノートには…

なぜ、告知や延命処置についての考えをエンディングノートに書くのか、その意義が説明されているんです。自分が判断できる状態であれば、その時になってから自分が決めればよい。だけど、突然の事故で意識不明の重体になって、本人の意思が確認できない状態下で、家族が「延命処置をしますか?」と判断を迫られる──そんな事態が起こらないとも限らない。そういう「もしも」に備えて書いておくのだ、ということがわかるようになっているんですよね。

そして、「誰かが判断をしなくてはならない場合」という欄。誰に判断をゆだねるかをあらかじめ指定しておけるんです。ここに一筆いただけていると“遠くの親戚”に引っ掻き回されるリスクがだいぶ減りますよね。いいなあ、この配慮。

役立つ場面をマンガで解説

このノートの冒頭には、エンディングノートが役立つ場面として、【1】家族の入院、【2】親の逝去、【3】日常生活の様々な場面(財布を落とした、保険を見直す、パソコンのプロバイダ変更など)──という3つの事例が挙げられています。それが親しみやすいマンガで説明されているので、親や配偶者などにエンディングノートを書いてもらいたいときの説明(説得)に役立ちそうです。

文字の書体(フォント)も色も読みやすく、紙の触り心地、書き心地も良いので(さすが文具メーカー)、書き進めるうえでのストレスは少ないと思います。

難点を挙げるとすると、ご年齢によっては、ちょっと文字が小さめと感じるところがあるかも。ページ数はかなり多めな部類に入ると思います。全部を埋めようと思わない方がいいかもです(笑)。また、いわゆる自分史や今後のライフプランを書く欄はありません。それは別のノートに書く、ということですね!

コクヨのエンディングノート「もしもの時に役立つノート」のスペック
 品番:LES-E101
 メーカー希望小売価格(税抜):1710円
 判型:セミB5判
 ページ数:64ページ

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