こんにちは。ふとした思い付きからエンディングノートを書き、終活の奥深さに打たれて、その勢いで終活・エンディングノートの講師資格を取ってしまったナナです。
以来、さまざまな場でエンディングノートの普及活動を行っています。いろんな工夫をこらしたノートがあるので、イメージを広げていただくために手持ちの十数種類を展示して見ていただくことも多いのですが、そこでよく耳にするのが、
「エンディングノートの中身って、初めて見たわ」
「こんなにいっぱい、いろいろ書くページがあるのね」
…というもの。
確かに、「エンディングノート」の存在は知っていても、実際に手に取ったり、中を見る機会はあまりないかもしれないですよね。…というわけで、エンディングノートとはどんなノートなのか、どんなノートを選べばいいのかを、さっくりご紹介します!
エンディングノートは「書き込み式の整理帳」
エンディングノートの原型が誕生したのは、1991年のこと。葬儀の返礼品などを扱うセキセー(名古屋千種区)の創業者、石原正次氏が発案・作成し、葬儀社向けに販売した「自分の死と向き合う『マイ・エンディング 私の準備ノート』」が起源になったと言われています。
残念ながら私は実物を目にしたことはないのですが、「遺言をもっと身近に!」という発想に基づいた書き込み式のノートだったそうです。
この「書き込み式」というスタイルは、現代のエンディングノートにも受け継がれていて、学生のころにやったドリル帳のように、空欄を埋めていくことで「人生の中間まとめ」と「死後手続きの準備」ができるようになっています。
「選択肢」から選ぶ項目も。家族間の意思確認にも役立つ
また、「お葬式はどんな形式でやりたいですか?」とか、「治らない病気になったとき、延命を希望しますか?」みたいな、
そ、そんなこと、いきなり聞かれても……!
という項目については、選択肢の中から自分の考えに一番近いものを選ぶ形になっていることが多く、
なるほどー、こういう選択肢があるのね!
と知ることができるだけでなく、
私はこうしてほしいけれど、夫はどう考えているのかしら?
父の時はこうしたけれど、母も同じでいいのかしら? 確認しておかないと……。
といった、家族間で事前の意思確認をしておく方がいい事項をはっきりさせることもできます。「意思確認ツール」としても使えるわけですね。
エンディングノートの「基本5領域」
これまで、20種類近いエンディングノートを見てきましたが、共通してカバーされている領域は、
【1】葬儀・お墓
【2】相続・財産
【3】死後の手続き
【4】医療・介護
【5】パーソナル情報
の5つです。そして、エンディングノートの成り立ち(誰が作ったか、どこが配布しているか)によって、どの領域に重点を置くかが異なっています。
「重点領域」はノートによって異なる
例えば、葬儀社が開催する「終活相談会」などで配布しているエンディングノートでは、【1】の葬儀・お墓に関する項目が重点的に取り扱われています。
一方、銀行や生命保険会社が配布したり、税理士などの士業が作成しているエンディングノートでは、【2】の相続・財産に関するページが充実しています。
また、医師などの医療従事者が作成したエンディングノートには、【4】の医療・介護に関するリアルな情報が盛り込まれています。延命と一口に言ってもいろいろな手段・手法があるのだと、とても勉強になります。
「特に気がかりな領域」がはっきりしている場合は、そこに重点が置かれたエンディングノートを、最初の1冊として選ぶとよいと思います。
「バランス型」ノートは市や区から入手
そうした「気がかり領域」がない場合、最初の1冊は、基本5領域をバランスよくカバーしたものを選ぶとよいでしょう。書いていく中で、気がかりな点、より深く考えたい点がはっきりしてくると思います。
そうした最初の1冊としておススメなのは、市や区などの自治体が作っているエンディングノートです。
例えば神奈川県横浜市の場合、18区それぞれが区版のエンディングノートを作成していて、区役所やケアプラザ(地域包括支援センター)で入手できます。しかも! ほとんどの区版ノートは、PDFでダウンロードもできるのです(区民じゃなくても・笑)。
もっとも、自治体によって配布条件は異なります。私の住んでいる神奈川県藤沢市の場合、区役所やいきいきサポートセンター(地域包括支援センター)で入手でき、年齢や市民かどうかを確認されることもありませんでした。一方、隣の鎌倉市は、市役所などで配布していますが「65歳以上の市民」が対象とのことで、私は入手することができませんでした。
……というわけで、まずはお住まいの自治体に問い合わせるのが一番よいかと。で、「PDFでもいい、まずは中身を見てみたい」場合は、横浜市のエンディングノートが超・おススメです。【5】のパーソナル情報を書く欄が充実していて、人生の振り返りだけでなく、この先のライフデザインを立てるのにもすごく役立ちます!!
区版エンディングノートへのリンク先は、横浜市健康福祉局が運営している「ふくしらべ」にまとめられています。こちらもすごーく役立つサイトなので、ぜひご一覧を↓↓