日傘を差し、水分を摂っていたのに熱中症に! 症状の一つ「熱失神」の原因は「皮膚の血管」

健康情報

こんにちは! 毎日暑いですね~~💦

こんなに暑いと熱中症が心配になりますが……実は私、先日、旅先で参加したウォーキングツアーで熱中症になってしまいました。

暑い日で日差しも強かったので、用心して日傘を差し、水分もこまめに取っていたんです。でも、目的地についたところで、急に目の前がチカチカして立ちくらみが……。

リタイアを告げ、宿までタクシーで戻りましたが、ガイドさんや周りの方に心配と迷惑をかけてしまいました。反省。

めまい立ちくらみ熱中症の初期症状の一つで、専門的には「熱失神」と呼ぶそうです。調べてみたら、そのメカニズムに「皮膚の血管」がかかわっていると知り、びっくり! 脳失神がなぜ起こるのか、起きたらどうすればいいのかをシェアしますね❤

熱失神は「脳への血流不足」で起こる

熱中症は、日本の夏!のような高温多湿の場所で起こしやすい健康障害の一つ。上がった体温をうまく調節できずに体に熱がこもったり、体温調節の過程で体内の水分やミネラルのバランスが崩れることで、めまいや立ちくらみ、こむら返り、頭痛、吐き気、意識がもうろうとする、などの様々な症状が表れます。

初期症状の一つが「熱失神」。今回、私に起きた「めまい」「立ちくらみ」も熱失神の一つです。この熱失神は、

脳への血液が減る

ことで起こります。

体温調節は「汗」と「皮膚の血管」の二本立て

暑いときや運動した時などに私たちは汗をかきますが、それは、暑さや運動によって上昇した体温を下げるためです。皮膚から汗が蒸発するときの「気化熱」で体温を下げるわけです。

そしてもう一つ、体温を下げる大事なメカニズムがあります。皮膚の表面からの放熱です。

体温が上がると、血液の温度ももちろん上がります。これを効果的に冷やすために毛細血管が広がり、皮膚の表面近くに血液を集めるのです。

運動後や暑さでのぼせたときなどは、汗が出るだけじゃなくて、顔や体中が真っ赤になりますよね。あれは、血液が皮膚の表面近くに集まっているから赤く見えているわけです。

脳などの臓器に血液がいきわたらなくなる

血液が皮膚の表面に多く集まると、体をめぐる血液の量は少なくなります。また、汗をかくことで体内の水分が失われることによっても血液の量は減ります。

その結果、血圧が下がり、脳に十分な血液が行かなくなります。これが、めまいや立ちくらみが熱中症によって起こる仕組みです。

血液不足になるのは、脳だけではありません。

筋肉に十分に血液が行かなくなると、筋肉痛こむら返りを起こします。

腎臓肝臓にも十分に血液がいきわたらなくなると、老廃物の解毒・排泄が滞って、頭痛吐き気、ひどいだるさ(熱疲労)などが表れます。

この状態が続くと、最終的には体温そして脳温が40℃を超えて上がり、脳を含む全身の臓器が機能不全を起こして死に至る……というわけです。

「脳への血流が減る」のも怖いけれど、「脳そのものの温度が上がる」と聞くと、いっそう恐ろしさが身に沁みますね! 

「熱失神」が起きたときはこう対処!

では、熱中症でめまいや立ちくらみなどが起こった時はどうしたらいいのでしょうか。

日本気象協会が運営する熱中症情報サイト「熱中症ゼロへ」(https://www.netsuzero.jp/)によると、まず最初に行うべきなのが、「意識がはっきりしているかの確認」です。

もし、意識がもうろうとしているようなら、命に関わる恐れあり。迷わず救急車を呼びましょう! 

意識ははっきりしているようなら、安全で涼しい所に行き、できればその場に横になって休みます。この時、足を少し高くすると心臓への血流が良くなり、脳への血流を改善する効果が期待できます。

次に、体を冷やします。首筋や脇の下など、体の表面近くに太い血管が走っている部位を冷やすのが効果的です。よく冷えたペットボトルや保冷剤などを使うといいでしょう。

そして最後に、水分補給をしっかり行うこと。体に吸収されやすいスポーツドリンクなどがお勧めです。

<熱失神が起きたときの対処ポイント

  • 意識を確認
  • 涼しいところで横になる
  • 体を冷やす
  • 水分補給

「熱中症弱者」の自覚を持ち、「休む勇気」も大事にしよう

乳幼児と高齢者は熱中症になりやすく、「熱中症の弱者」と呼ばれるそうです。弱者!と言われると抵抗を感じますが、でも、若い時と比べると確かに、体の機能は落ちていますからねぇ……。

<高齢者が熱中症にかかりやすい理由>

  • 「暑い」と感じにくくなる
  • 「行動性体温調節」が鈍る
  • 発汗量・皮膚血流量の増加が遅れる
  • 発汗量・皮膚血流量が減少する
  • 体内の水分量が減少する
  • のどの渇きを感じにくくなる

(出典:環境省『熱中症環境保健マニュアル』)

行動性体温調節というのは、行動によって体温を調節する仕組み。寒いときには一枚着込み、暑いときには冷房をつける、といったものです。うぅ、それも年をとると「鈍る」のね。否めない……。

毎年9月に、熱中症で亡くなった人の統計データが発表されます(前年度分、厚生労働省『人口動態統計』確定値)。毎年、数百人から千数百人が熱中症で亡くなっていますが、その8割以上が65歳以上の高齢者なんです。

今回の最大の反省点は、そもそもツアーに参加したことだったのでは、と、ここにきて思い至りました。

とても楽しみにしていたウォーキングツアーではあったのですが、その日は朝からじっとりとした暑さ。「熱中症弱者」という自覚をもって、ツアーをキャンセルする、という選択をすべきでした。

……もし大雨だったら、きっとキャンセルしていたよね……。「暑さ」ならなんとか対処できる、という過信があったんです。

体力的に「へなちょこ」を自認する私。体の機能を過信せず、これからは思い切って休む勇気も大事にしたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました