勇気をもって「劣後順位」を決めよう

終活・セカンドライフ

今年(2023年)になって新しく始めたことの一つが、読書会ドラッカーの著作を読むこと。ドラッカーの本といえば「もしドラ」(これをドラッカーの本と言ってよいのか💦)しか読んだことがなく、経営学の知識もほぼゼロなのですが、読書会に誘ってくださった方々がとても魅力的で、思い切って参加して本当によかったと思っています。

こういう「新しい経験」にチャレンジできるのも、セミリタイア人生のよいところですよね♪

月1回の読書会では、ドラッカーの『経営者の条件』を毎回1章ずつ読んでいくのですが、なんというか、読み進むのに骨が折れます。ビジネス書というより、哲学書を読んでいるような感覚。そして、「思ってた意味とぜんぜん違う!」言葉の数々。仕事とは、組織とは、成果とは、そしてマネジメントとは……なんて、これまでの人生で考えたこともない概念に触れて、考えて、楽しんでいます。

で、本題。

「劣後順位」という言葉、ご存じでした?

私は、今回読んだ章(『経営者の条件』第5章「最も重要なことに集中せよ」)で初めて目にしました!

「劣後」「優先」の反対語。辞書には「他に劣って後れをとること」とか、「他よりも後に扱うこと」などとあります。要するに、優先順位の逆、ということですね。

仕事や家事など日常の様々な活動を行う中で、私たちは「優先順位」を考えて動くことが多いと思います。より重要なもの、より急ぐものを先にこなそうとする。「急ぐもの」が「重要なもの」より優先されがちで、「急がないけれど重要なもの」(いわゆる第2領域のもの)が先送りされがち、という弱点はあるものの、「優先順位を考えて動く」という行動戦略は多くの場面で有効です。

一方で、ものごとに劣後順位をつけることは、ドラッカー氏のいうように至難です。うっかり・ついつい放置しちゃった~~♪、ではなくて、意思をもって後回しにするわけですから。休刊という名の廃刊、延期という名の中止。きついなあ、どうやって劣後順位をつけたらいいの?

そう思って読み進めてみたのですが、ドラッカー氏は、「どうやって劣後順位をつけるか」についての直接的な答えを書いていません。が、するりと「優先順位をつけるときの原則」を示しています。

曰く、優先順位の決定において最も重要なことは、

分析ではなく勇気

だと。

「分析」の対象となるものは、すべて過去のものごとです。一方で、優先・劣後の順位をつける対象は、これから成し遂げていく未来のものごと。だからこそ、分析ではなく勇気をもって決断し、選び取っていくわけなんですね。いやーー、名言だなあ!

【優先順位をつける際の4原則】

  • 過去ではなく未来を選ぶ
  • 問題ではなく機会に焦点を合わせる
  • 横並びではなく独自性をもつ
  • 無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ

いいなあ、勇気がりんりん湧いてくるぞ。

『経営者の条件』には数々の名言が出てきますが、第5章は特に、名言がさえわたっていると感じます。最後に、いくつか「おお……刺さる!」と感じた推し名言!を紹介しますね❤

もはや生産的でなくなった過去のもののために資源を投じてはならない。第一級の資源、特に人の強みという稀少な資源を昨日の活動から引き揚げ、明日の機会に充てなければならない。

P.F.ドラッカー著、上田惇生訳『経営者の条件』

つまるところ、成果をあげる者は、新しい活動を始める前に必ず古い活動を捨てる。

P.F.ドラッカー著、上田惇生訳『経営者の条件』

集中とは、「真に意味あることは何か」「最も重要なことは何か」という観点から時間と仕事について自ら意思決定をする勇気のことである。この集中こそ、時間や仕事の従者となることなくそれらの主人となるための唯一の方法である。

P.F.ドラッカー著、上田惇生訳『経営者の条件』

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